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2014年01月27日

「さ入れ言葉」の乱用



ここ10年位の間に変な日本語を見聞きする機会が多くなりました。
それは敬語の使い方です。

敬語には丁寧語や尊敬語、謙譲語といった分類があり、あらためて日本語は難しいなと思います。
そうはいってもやはり、違和感を感じるのは私だけではないようです。

NHKのある番組で、芸人さんが発した言葉で、「言わさせていただきます」。
いい歳してホント勘弁してくれと思いました(アナンサーではなくてよかったですが・・・)

それを言うのなら「言わせていただきます」。

これに類似するのが「見させていただきます」・・・
正しくは「見せていただきます」

これら誤りを「さ入れ言葉」と言います。


まずもって、どうしてこんなふうになってしまうのか?
以前にもブログで綴ったことがありますが、ここ10年のあいだに「させていただきます」などの
謙譲語が、はびこってきたように感じます。

企業における顧客対応研修などと謳ったマナー教育で、講師陣が「させていただきます」
などの謙譲語を使うことが良しとするような教育を行ってきたのが、変な日本語を蔓延させた
要因なのではないかとも考えます。


相手より自分の立ち位置を一段低くし、へりくだったことばが謙譲語。
そもそも敬語の中では謙譲語が一番難しいと私は感じています。

なにも謙譲語でなくとも尊敬語を使えば済むような場合でも、ふだん使い慣れない
謙譲語を使おうとするから、ぎこちのない変な日本語になってしまうのではないでしょうか。

少し前にも会社の会議で、司会者が「レジュメに書かせて頂いておりますが・・・」と言われたので、
「いま “書かせて頂いた” って、おっしゃいましたが、これは私たちの許可を得て書いたのですか?」と
突っ込んでやりました(笑)

つまり謙譲語には、使用にあたって一定のルールがあるため難しいのです。


前述のことばであれば、「言わせていただきます」 なら、「申し上げます」、
「見せていただきます」 なら 「拝見します」 のほうがスッキリして良いと思うのですが・・・




あと気になるのは 「いただく」 と 「くださる」 の使わけ。

これらは、まず主語が何になるかで変わってきます。

・ 「 私はAさんに鉛筆をもってきて いただいた 」
・ 「 Aさんは私に鉛筆をもってきて くださった 」


さらには、相手にお願いをして、その行為をしてくれたものなのか?(してもらう)
それとも相手が自発的に行なってくれたものなのかで使い分けは異なります。(してくれる)

・「頼んであった書類を家まで運んでいただいた」・・(相手にお願いして してもたっら)
・「必要であろう書類を、私のところまで届けてくださった」・・(相手が自発的にしてくれた)

( あと感謝の意味を込めて 「 くださる 」 と表現する場合もありますね。)



やはり同じことを考えていた人たちが居たので安心しました。
⇒ 『 「言わさせていただきます」について
⇒ 『 させていただきます、を必要以上に使いすぎてると、言わせていただきます。
   (ここに出てくるロックミュージシャンの話は、なかなかオモシロイです)


「 言葉 」 というものは、それを多くの人が使うようになると、「 正 」 となってしまう
可能性をもっているので、まちがった蔓延は、避けなければと考えてしまいます。   続きを読む

Posted by EMG at 23:59日々について学び得たこと