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2011年03月22日

地震保険の保険金支払が1兆円規模

3月21日付け日本経済新聞朝刊に「地震保険の保険金支払が1兆円規模」とありました。

それについて少し解説をすると、


記事の概要としては、

 ○東日本大震災で支払われる地震保険の保険金が総額で1兆円となり、
  阪神大震災時を上回り過去最大となる見込み。

 ○地震保険は、総支払額が1,150億円を超えると、官民が折半する仕組みとなっており、
  1兆円規模ならば損保各社の負担額は5,000~6,000億円となる。

 ○政府と損保業界は、あわせて約2兆3,000億円の準備金を積み立てており、
  政府は地震再保険特別会計を取り崩して対応する。


となっていますが、実際のところは、


 ●新聞記事にある 1兆円規模の地震保険の保険金支払見込みについては、
  各損保および損保協会からの公表は一切なく、憶測によるものと思われます。

 ●地震保険の仕組みは新聞記事にあるとおり、政府と民間(元受損保や日本地震再保険株式会社)
  で保険責任を分担しておりますが、正確な仕組みは下図のとおりです。

 ●地震保険制度では政府による再保険があり、政府そして民間各社とも危険準備金を
  積み立てているため、保険金の支払については問題ありません。




【地震保険の仕組み】

被害の額(支払額)により、支払い時は下図の3段階に分けられます。




・第3レイヤー: 5兆5,000億円 ≧ 支払額 > 1兆9,250億円
 政府が3兆3,962.5億円の支払い 
 民間が   1,787.5億円  〃

・第2レイヤー: 1兆9,250億円 ≧ 支払額 > 1,150億円
 政府と民間とで折半(9,050億円ずつ)

・第1レイヤー: 1,150億円 ≧ 支払額 
 民間がすべて担当。




支払い総額でみた場合、

・斜線部分が民間の分担分。<元受損保や日本地震再保険>

 1,150億円+9,050億円+  1,787.5億円 = 1兆1,987.5億円


・白抜き部分が政府の分担分。

          9,050億円+3兆3,962.5億円 = 4兆3,012.5億円

  


Posted by EMG at 21:01保険の話